どこかのワンシーン








口にせねば伝わらぬ。重要なのはそれだけだ




今度こそ。絶対、絶対同じ過ちを繰り返すもんか




無性に触れたくなる。どこでもいい。服の端でさえ




過去を振り返って―――――あぁ、なんだ。馬鹿みたいだ
勝手な思い込みと妄想だけじゃないか




世界はそれでも廻ってる。そこで何が起こっていても




これ以上はどう足掻いても交われない境界線がある




ただ貴方という存在があって、傍に居て、一緒に笑い合えれば
それでいい




たったひとつ全てを捨て去るその言葉を
私は言ってなどあげない




人離れてゆくのが寂しいから口を開かぬだけで
私も弱い人間なのだ




何度も傷つきながらそれでも生きてゆこう
攻撃性の低さと回復力の高さだけが僕の取柄だもの




何と言う事だろう。私が懸命に探してきたものを既に探し出した人がもう居るではないか
あぁ…これは嘆きの溜息ではなく、驚きであり尊敬の感嘆だ




恋はヒトを変える。だが、それは決して不幸な事ではないのだろう
出逢いは人を育て、別れは人を成長させる




ふやける程甘やかさないで。独りで生きられなくなってしまうから




傷の癒えた野良猫は、また何処かに去るだけ
あいつは今頃どこかで元気にやってるさ。そう思っておこう




僕と彼女の間に交わすべき言葉など存在しなかった
だが、そこには、確かに優しい沈黙があったのだ




畏怖の対象とされていた支配者はもう何処にもいない




―――っ馬鹿らしい!そんなワケ、あってたまるかってんだ!
これじゃぁまるで、オレがあいつの事好きみたいじゃないか…




「そんでも、追っかけてきてくれるんやろ?」
「…しょーのないやつ」
「なんやぁ、今更気づいたん?」
「阿呆ぉ、んなもんハナから気づいとったわ」




まだその意味さえ知らずに
ただ、痛みと力にねじ伏せられた記憶と金だけが残った




相手に望めることと望めないことがある。それを見極めねば




自身を過信しすぎぬ方がよい。記憶の改竄は常に自己の中で行われている




貴方という柔らかい毒に犯されてゆく




壊れたものは、新しく作り変えられても二度と同じ形には戻せない




そんなこれも、悪くないと思う自分がいる




どこかに何か大切なものを喪くしてきたのか?




『そう』あるものは『そう』あるのだから、それを受け入れるだけ




辛い真実でも、知る事に意義があるのか。辛いからこそ、知らない方が幸せなのか




仮定の上で議論するのは、空の皿で食事をするようなものなのに




なんてかわいそうな(私)(僕)(俺)!




悲恋や狂気や苦痛が艶やかに映えるのは芸術と言う世界でだけ。現実のそれはただただ悲惨なものだ




「他人が他人を笑(わろ)うとも所詮何もかわらぬことよ」




「人よ傲れる事莫れ。我らは調和を乱す欠陥部品に過ぎぬ事を」




僕らは僕らに出来ないことを知っていた




綺麗な花を喰い散らかして、それでお仕舞い




「どれか一つなんて、つまらないだけだろう?どうせなら掴めるだけ掴み取れよ」




誰かを傷付ける毒を吐露しながら誰かを支えたいと祈ろう




私は此処に居て、君も此処にいる




世界は全て、我々が個々に認知する夢でしかないのなら
世界は己自身を映しだす鏡と言えよう




貴方のくれたものは全部捨てたけど、捨てられなかった。貴方のかけら(面影)を




結局のところ昨日まで見てきた辛い目も、今日を生きる私の糧なんだ
それを否定するつもりはない。ただ何度も悔いはする




「『どうでもいい』と『なんでもいい』。同じだろ?」




私は私以外の何者にもなれないだろう
他人というものに成りすます術を私は知らない




「勉強も風邪もXXXも、熱が溜まるのは同じだろ」




多分、愚かなままで居たいんだ




逃げる事は簡単に出来た。それでも私は動かなかった




そこには“寂しい”という気持ちだけが残るのかもしれない




哂ってやって、『バカなヤツだ』と。笑ってやって、『まだ間に合う』と




“傷つく”も“後悔”も“立ちなおる”も、自分の手でしたい。誰かの操り人形は嫌だ




「『弱い犬ほど力を誇示し、よく吼える』…まさにその通りであるのだなァ?」




他人の言葉が真実であるかなど、どう分かり得ようか
そう怯えながら、それでも信じたいと思う




自分が意図的に他者の思考を変えられるだなんて、思わないほうがいい




「あなたは純粋すぎる。それがあなたの仇であり、救いだ。大切になさい」




「『お前のためにわざわざやってる』だって?好き勝手して、偉そうな事を言うな!」




「わたしの相槌なんて意味のないものだと知ってるでしょう?」




抱き抱かれれば、それが愛の証と言えるのか?
仮初の愛を売る人々も居ると言うのに




このまま私ごと解けてしまえばいいのに




「不幸を知らずして、幸福をどう得られようか。君はどう思う?」




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